テレアポは違法?
営業メールと電話営業の法律・ルールを整理
法人相手のテレアポ(電話営業)も営業メールも、一律に違法ではありません。ただし、特定商取引法と特定電子メール法に決まりがあります。公的資料をもとに、守るべき点と進め方をまとめました。
法律・規制
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読了時間 約9分
重要なポイント
- テレアポそのものは違法ではありません。特定商取引法の電話勧誘販売は消費者向けの取引が対象で、「営業のため、又は営業として締結するもの」は適用除外です(法第26条)。
- 消費者に電話する場合は、勧誘前の名乗りと再勧誘の禁止が義務です(法第16条、第17条)。法人相手でも、断られたら控えるのが実務の基本です。
- 営業メールは特定電子メール法の対象で、原則としてあらかじめ同意した相手にしか送れません。ただし、名刺交換した相手や、サイトでメールアドレスを公表している事業者などは例外です。
- 例外で送る場合も、送信者名、受信拒否の方法、住所、問い合わせ先の表示が必要で、受信拒否の連絡を受けたら以後は送れません。
- 取引先の担当者名は個人情報です。リストの出どころと使い道を説明できる状態にしておきましょう。
結論
テレアポは違法ですか?
テレアポは、それだけでは違法ではありません。法人を相手にした電話営業は、特定商取引法の電話勧誘販売の適用除外にあたります。一方、消費者に電話する場合は名乗りの義務と再勧誘の禁止があり、営業メールは特定電子メール法のオプトイン規制を受けます。「テレアポ 違法」の分かれ目は、相手、手段、断られた後の対応です。
テレアポとは、まだ取引のない相手に電話をかけて商品やサービスを案内する営業手法です。営業の用語では「アウトバウンド」に当たります。全体像はアウトバウンドセールスとはの解説で確認できます。法律の面では、呼び方よりも「誰に」「どの手段で」連絡するかが重要です。
この記事は、フリーランスのWeb制作者、広告代理店、中小企業の営業担当者が、Googleマップで見つけた店舗や会社に連絡するときの法的な考え方を整理した一般的な情報です。個別の案件について法的な助言をするものではありません。法令は改正されるため、本格的に運用する前に弁護士や所管官庁に確認してください。
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電話
法人向けのテレアポに、特定商取引法は適用されますか?
法人を相手にした営業目的の電話は、特定商取引法の電話勧誘販売の規制対象外です。消費者庁の特定商取引法ガイド(電話勧誘販売)によると、電話勧誘販売とは、販売業者や役務提供事業者が消費者に電話をかけて勧誘し、契約の申込みを受ける取引のことです。そして法第26条は、「営業のため、又は営業として締結するもの」には同法を適用しないと定めています。
たとえば、美容室のオーナーに「予約システム」を案内する電話は、店の営業のための契約なので、特定商取引法の電話勧誘販売には当たりません。ここで基準になるのは「契約の目的」です。個人事業主でも、事業と関係のない私的な契約の勧誘であれば、消費者向けの扱いになる可能性があります。迷う場合は、消費者向けのルールを守る運用にしておくのが安全です。
この適用除外は、あくまで特定商取引法についての話です。電話で聞き取った担当者名などを記録するなら、後述する個人情報の扱いが別に関わります。
消費者向け
消費者にテレアポするときの義務は何ですか?
消費者に電話する場合は、勧誘に先立つ名乗りと、断られた後の再勧誘の禁止が義務になります。工務店やリフォーム会社、教室ビジネスなど、一般の家庭に営業する事業者は特に注意が必要です。消費者庁の特定商取引法ガイド(電話勧誘販売)では、次の内容が示されています。
- 勧誘に先立つ明示(法第16条):事業者の氏名(名称)、勧誘を行う者の氏名、販売しようとする商品や役務の種類、契約の締結について勧誘する目的であることを、最初に告げます。
- 再勧誘の禁止(法第17条):契約を締結しない意思を表示した人に対して、勧誘を続けることや、改めて勧誘することは禁止です。
- 不実の告知などの禁止:契約の勧誘にあたって事実と違うことを告げる、故意に事実を告げない、相手を威迫して困惑させる行為は禁止されています。
- 書面の交付とクーリング・オフ:契約の申込みを受けたときなどは法定の書面を渡す必要があり、消費者は書面を受け取った日から8日以内であれば申込みの撤回や契約の解除ができます。
違反した事業者は、業務改善の指示や業務停止命令などの行政処分の対象になり、一部は罰則の対象にもなります。社名を名乗らないまま話し始める、断られても翌日にかけ直すといったやり方は、法人営業でも信頼を失う原因になります。
メール
営業メール(コールドメール)は違法ですか?
営業メールは違法ではありませんが、特定電子メール法の対象になり、原則としてあらかじめ同意を得た相手にしか送れません。総務省のパンフレット「特定電子メール法のポイント」は、広告宣伝のために送信される電子メール全般を対象と説明しており、法人宛てを除外する例外は挙げていません。
対象の範囲は広く、次のように整理されています。
- 他人の営業のために送信するメールも対象です。代理店が顧客の広告を送る場合も含まれます。
- 携帯電話番号宛てのメッセージ(SMSなど)も対象です。
- 海外から送信されて日本に着信する広告宣伝メールも対象です。
- 非営利団体や、営業を営まない個人が送るメールは対象外です。
通販などの電子メール広告を個人に送る場合は、これに加えて特定商取引法の適用があります。広告宣伝メールの内容によっては、両方の法律が関わることもあります。
営業メールの考え方は、原則は事前の同意、例外に当てはまるなら表示義務と受信拒否への対応を守る、の二段構えです。
例外
サイトに載っているメールアドレスに営業メールを送ってよいですか?
事業者が自社サイトなどでメールアドレスを公表している場合は、同意がなくても営業メールを送れます。ただし、同じ場所に「広告宣伝メールの送信をお断りします」といった表示があれば、送ることはできません。迷惑メール相談センターの解説では、問い合わせ先として公表されたアドレス宛ての送信は、同意がなくても法律違反にはならないと説明されています。
同意なしで送れる例外は、総務省のパンフレットでは次のとおりです。
- 取引関係にある相手に送る場合
- 名刺などの書面で、自分のメールアドレスを通知してくれた相手に送る場合
- 自分のメールアドレスをインターネットで公表している相手に送る場合(個人の場合は、営業を営んでいる人に限る)
実務では、次の点に注意してください。
- 公表の場所を確認する:事業者自身が公表しているアドレスかどうかを見ます。第三者のサイトに載っているだけのアドレスは、例外に当たるか慎重な判断が必要です。
- 拒否の表示を探す:「営業メールお断り」の文言がないか、サイトの問い合わせページやフッターを確認します。
- 個人名のアドレスを避ける:担当者個人の私用アドレスと思われるものは、公表の例外に当たらない可能性があります。info@やcontact@のような代表アドレスのほうが安全です。
- 到達性も確認する:存在しないアドレスへの送信は、評価を下げるだけです。メールアドレスを検証する方法で、送る前の検証手順を紹介しています。
表示義務
営業メールに必ず入れる表示は何ですか?
広告宣伝メールには、送信者の氏名または名称、受信拒否の連絡先、住所、問い合わせ先を表示する義務があります。同意を得て送る場合も、例外で送る場合も同じです。総務省のパンフレット「特定電子メール法のポイント」に基づく一覧は、次の表のとおりです。
| 表示する項目 | 内容 | 実務のヒント |
| 送信者の氏名または名称 | メール本文に表示 | 会社名や屋号を署名に入れる |
| 受信拒否の連絡先 | メールアドレスまたはURLを本文に表示 | 「配信停止はこちら」を本文の目立つ場所に置く |
| 受信拒否ができる旨 | 連絡先の直前または直後に表示 | 「今後のご案内が不要な場合は」と一文添える |
| 送信者の住所 | 任意の場所に表示(リンク先でも可) | 署名に所在地を書く |
| 苦情・問い合わせ先 | 電話番号、メールアドレスまたはURL | 代表電話か問い合わせフォームを載せる |
| 送信者情報の偽装 | 禁止 | 送信元アドレスやドメインは実在のものを使う |
受信拒否の連絡を受けたら、同意があった相手でも、以後の広告宣伝メールは送れません。パンフレットは、後日の争いを避けるため、受信拒否の記録を保存するよう勧めています。また、同意を得て送る場合は、同意を得た状況を示す記録を、最後に送信した日から1か月間保存する必要があります。削除を求められたときの手順は、データ削除リクエストへの対応にまとめています。
早見表
手段と相手で、ルールはどう変わりますか?
電話か、メールか、相手は法人か消費者かで、適用される法律と主な義務が変わります。次の表は公的資料の内容を並べたもので、原文の代わりにはなりません。判断に迷う場合は一次資料を確認してください。
| 手段と相手 | 主な法律 | 事前の同意 | 主な義務 |
| 電話、法人(営業のための契約) | 特定商取引法の適用除外(法第26条) | 規定なし | 個人情報の扱いは別に必要。名乗りと、断られたら控える運用を推奨 |
| 電話、消費者 | 特定商取引法(電話勧誘販売) | 規定なし | 勧誘前の明示(第16条)、再勧誘の禁止(第17条)、書面交付 |
| 営業メール、法人・個人事業主 | 特定電子メール法 | 原則あり(例外あり) | 表示義務、受信拒否後の送信禁止、同意の記録 |
| 営業メール、サイトで公表されたアドレス | 特定電子メール法の例外 | 不要(拒否表示がない場合) | 表示義務と受信拒否への対応は必要 |
| SMS | 特定電子メール法 | 原則あり | 電子メールと同じ扱い |
| 通販などのメール広告、個人向け | 特定商取引法 | 請求・承諾が必要 | 表示義務、記録の保存 |
違法になるのは営業そのものではなく、ルールを無視したやり方です
罰則
特定電子メール法に違反するとどうなりますか?
まず総務大臣と消費者庁長官から、送信方法の改善を求める措置命令を受けます。命令に従わない場合や、送信者情報を偽って送った場合は、罰則の対象です。迷惑メール相談センターの解説では、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、法人の場合は行為者を罰するほか、法人に3000万円以下の罰金と案内されています。
特定商取引法の側にも、消費者向けの電話勧誘では行政処分(業務改善の指示、業務停止命令など)があり、一部は罰則の対象です。罰則の重さより実害が大きいのは、苦情が増えて送信元ドメインの評価が下がることと、地域の取引先に悪い評判が広がることで、小さな会社ほど響きます。
個人情報
取引先の担当者名や連絡先は、個人情報になりますか?
はい。個人情報保護委員会のQ&Aでは、取引先企業の担当者名や法人の代表者の情報は、個人情報保護法第2条第1項の定義に該当するため「個人情報」にあたると説明されています。法人そのものに関する情報は個人情報ではありませんが、役員や従業員に関する情報は個人情報です。
つまり、リストに担当者名や代表者名を入れた時点で、個人情報の取り扱いルールが関わります。同じQ&Aは、名前などを検索できる形で体系的に整理したデータベースは「個人情報データベース等」に該当し、そこに含まれる氏名は「個人データ」にあたると考えられる、とも示しています。営業リストをExcelやCRMで管理する場合は、この点を意識してください。
実務では、次の3点を押さえておくと安心です。
- リストの出どころ(公開されているサイト、名刺、問い合わせなど)を説明できるようにしておく
- 何のために連絡するか(サービスの案内)を相手に明確に伝える
- 停止や削除を求められたら速やかに応じ、以後は連絡しない
EUの企業や個人に連絡するときは、日本の法律とは別にEUのルールが関わることがあります。詳しくはGoogleマップのスクレイピングとGDPRと、B2BデータとB2Cデータの法的な違いを参照してください。
リスト作成
Googleマップで見つけた企業に、電話や営業メールをしてよいですか?
Googleマップに載っているからといって、連絡してよいという許可にはなりません。出どころが公開情報でも、電話なら相手と目的で、メールなら特定電子メール法の同意や例外で、可否が決まります。スクレイピングそのものの考え方は、Googleマップのスクレイピングは合法かで整理しています。
Vonselは、この「リストを作る」部分を支援するツールです。Googleマップで検索してStartを押すと、地図を動かしながら企業の検索結果を集めます。Googleマップにはメールアドレスの情報がないため、利用できる企業サイトを巡回して、公開されているメールアドレス、追加の電話番号、対応するSNSへのリンクを探します。見つかる内容は、各サイトが公開している情報によります。集めた企業は地図上のCRMで管理でき、ステージごとの整理、メモ、タグ、カスタムフィールドが使えます。「連絡しない」企業にタグを付けておけば、うっかり連絡する失敗を防げます。
実際の画面は、チュートリアル動画でご確認ください。プランごとの違いは料金ページに載っています。なお、Vonselは法的根拠の判断や同意の管理を代行するものではありません。誰にどう連絡するかの責任は、利用者側にあります。
手順
法的リスクを抑えて、テレアポと営業メールを進める手順は?
次の7ステップを毎回の運用ルールにすれば、多くのトラブルは避けられます。フリーランスでも代理店でも同じ手順で使えます。
- 相手の種類を分ける:法人、個人事業主、消費者のどれかをリストにタグ付けします。ルールは種類によって変わります。
- 連絡手段を決める:電話、メール、SMSのどれで連絡するかを決め、対応する法律を確認します。
- 公開アドレスの拒否表示を確認する:営業メールをお断りする表示がないか、事業者のサイトを見ます。
- 最初に名乗る:電話では社名、氏名、用件を冒頭で伝えます。メールでは署名に会社名、住所、連絡先を入れます。
- 受信拒否の手段を用意する:本文に配信停止の連絡先を置き、連絡があれば以後は送りません。
- 記録を残す:リストの出どころ、同意を得た状況、受信拒否や「連絡不要」の要望を記録します。
- 相手に合った内容にする:その企業が実際に必要としそうな提案だけを送ります。無関係な一斉送信は、法律以前に成果が出ません。
メールアドレスの探し方は、他人のメールアドレスを見つける方法で紹介しています。公開情報から探す方法を押さえてから、チャネルを選んでください。
まとめ
- 法人相手のテレアポは、特定商取引法の適用除外です。消費者相手には名乗りの義務と再勧誘の禁止があります。
- 営業メールは原則オプトインです。サイトで公表されたアドレスなどは例外ですが、拒否表示がある場合は送れません。
- 表示義務、受信拒否への対応、記録の保存を守れば、リスクの大部分は避けられます。
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よくある質問
テレアポは違法ですか?
いいえ、テレアポそのものは違法ではありません。法人を相手にした営業目的の電話は、特定商取引法の電話勧誘販売の適用除外(法第26条)です。ただし、消費者に電話する場合は、勧誘前に社名や目的を告げる義務と、断られた後の再勧誘の禁止があります。個人情報の扱いも別に必要です。
法人向けのテレアポに特定商取引法は適用されますか?
電話勧誘販売は消費者向けの取引が対象で、「営業のため、又は営業として締結するもの」は適用されません。法人への営業電話は原則としてこの除外にあたります。ただし基準は契約の目的なので、個人事業主への私的な契約の勧誘は消費者扱いになる可能性があります。迷う場合は消費者向けのルールで運用すると安全です。
一度断られた相手に、もう一度電話してもよいですか?
消費者に対しては、契約を締結しない意思を示した人への勧誘の継続や再勧誘が、特定商取引法第17条で禁止されています。法人相手は同法の適用除外ですが、断られた相手に繰り返し電話すれば信頼を失い、苦情の原因になります。「連絡不要」の要望はCRMに記録して、以後は連絡しない運用が基本です。
営業メール(コールドメール)は違法ですか?
違法ではありませんが、特定電子メール法の対象です。原則としてあらかじめ同意した相手にしか広告宣伝メールを送れません。取引関係のある相手、名刺などでアドレスを通知してくれた相手、アドレスを公表している事業者などは例外です。送る場合は、送信者名と受信拒否の連絡先などの表示が必要です。
企業のサイトに載っているメールアドレスに、営業メールを送ってよいですか?
事業者が自社サイトなどでアドレスを公表している場合は、同意がなくても送れます。ただし、同じ場所に広告宣伝メールをお断りする表示があるときは送れません。送る場合も、送信者名、受信拒否の連絡先、住所、問い合わせ先の表示は必要で、受信拒否の連絡を受けたら以後は送信できません。
特定電子メール法に違反するとどうなりますか?
総務大臣と消費者庁長官から、送信方法の改善を求める措置命令を受ける場合があります。命令に従わない場合や送信者情報を偽った場合は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科され、法人にはさらに3000万円以下の罰金があります。罰則以外にも、苦情や評判の悪化が実害になります。
Googleマップで見つけた企業に、テレアポや営業メールをしてよいですか?
Googleマップに載っていることは、連絡してよい許可にはなりません。電話なら相手と目的、メールなら特定電子メール法の同意や例外で可否が決まります。担当者名を記録する場合は個人情報の扱いも必要です。Vonselはリスト作成を支援しますが、法的な判断と連絡の責任は利用者にあります。