AIで営業リストを作成するとは、見込み客の発見、調査、優先順位づけ、最初の文面づくりをAIで速くすることです。Googleマップの掲載情報のような実在の企業データを土台にして、送信前に人が全文を確認する形がもっとも成果につながります。信頼できるデータがなければ、AIはもっともらしいだけで誰にも確認できないリストを返します。
フリーランス、代理店、中小企業のための、AIで営業リストを作成する実践ガイドです。AIが得意な工程、作り話をしやすい場面、そして信頼できるリードリストの作り方をまとめました。
AIで営業リストを作成するとは、見込み客の発見、調査、優先順位づけ、最初の文面づくりをAIで速くすることです。Googleマップの掲載情報のような実在の企業データを土台にして、送信前に人が全文を確認する形がもっとも成果につながります。信頼できるデータがなければ、AIはもっともらしいだけで誰にも確認できないリストを返します。
AIで営業リストを作成するとは、リード生成の仕事にAIを使うことです。リード生成とは、見込み客の関心を惹きつけて獲得する活動を指します。実務では、自社の顧客像に合う企業を探す、1社ずつ調べる、先に連絡する企業を決める、最初の文面を書く、という4つの作業に分かれます。
AIが置き換えるのは、この作業のうち時間がかかる繰り返しの部分です。提案内容そのもの、誰が良い顧客かという判断、返信が来た後の会話は置き換えられません。モデルは1,000通の文面を書けても、魅力の薄い提案に返信する価値を与えることはできません。
呼び名にも注意が必要です。「AIリード獲得」をうたう製品には、手順が決まったワークフローに言語モデルを組み込んだものもあれば、AIが自分で手順や道具を選ぶものもあります。小さなチームなら、中身を確認できる予測しやすいワークフローのほうが安全です。営業全体への影響は人工知能が営業をどう変えているかで解説しています。
AIは大量の文章を読み書きするのが得意ですが、与えられていない事実は知りません。この違いが、役に立つ場面と失敗する場面を分けます。次の表は、地域の店舗や事業所に営業する場合の典型的な工程ごとの分担です。
| 工程 | AIが得意なこと | 人が用意するもの |
|---|---|---|
| リストを作る | できあがったリストの絞り込みと並べ替え | Googleマップなど実在のデータ源。すべての企業を確認できる状態にする |
| 連絡先を探す | 渡されたテキストを読む | 企業が実際に公開している連絡先。推測したメールアドレスは使わない |
| 企業を調べる | 数百件のレビューを数秒で要約する | 実際のレビューとウェブサイトを入力として渡す |
| 適合度を採点する | 自分で書いたルールに沿って企業を順位づけする | 明確な理想の顧客像と採点基準 |
| 最初の文面を書く | 事実に基づいた下書きを素早く作る | 送信前に人が編集する |
| 返信対応と成約 | 返信を意図ごとに仕分ける | 緊張感のあるやり取りや、曖昧な話、金額の話は人が対応する |
いちばん上の行は飛ばされがちですが、ほかの工程はすべてこの行に依存します。リストを持たないモデルは、リストを作り話で埋めるしかないからです。
ライブデータにつながっていないチャット型のモデルは、学習時に覚えた内容から文章を書くからです。「渋谷区の歯科医院40件の名称とメールアドレスを出して」と頼むと、それらしい社名、電話番号、住所が返ってきます。しかし古い情報だったり、単なる作り話だったりします。気づくのは、メールが不達で戻ってきたときです。
誤ったデータの損失は、無駄な送信だけでは済みません。不達や苦情は送信元の評価を下げます。事実でないことに触れた文面は、一般的な文面よりも悪い印象を残します。対策は役割を分けることです。事実はデータ源が供給し、AIはその事実を読んで書くだけにします。
地域の店舗や中小企業を相手にするなら、Googleマップがもっとも豊富なデータ源です。お客さまが実際に検索する事業所がすでに載っているからです。地図検索を営業のパイプラインにつなげる流れは、Googleマップのデータで見込み客を探す方法で説明しています。ただしGoogleマップ自体はメールアドレスを公開していません。足りない部分は、各社のウェブサイトに載っている連絡先で補います。
同じ種類の地域の事業者に繰り返し営業する人です。調査と下書きの作業が毎回同じ形で繰り返されるため、AIの効果が大きくなります。業種や地域が変わっても手順は同じです。
フリーランスは、ホームページ制作、SEO、写真撮影など1つのサービスを売ることが多いでしょう。たとえば大阪のWeb制作者なら、飲食店を一覧にして、ホームページのない店だけに絞り、業種と地域に触れた短い一通を各店に送れます。
代理店は、同じ型を複数のクライアントに使い回します。たとえば福岡で歯科医院向けに集客支援をしているマーケティング会社なら、評価とレビュー数で医院を順位づけし、患者の不満を読んで、実際の課題から書き出せます。レビューから課題を見つける手順はAIレビュー分析で紹介しています。
現場チームを持つ中小企業、たとえば名古屋のビルメンテナンス会社や札幌の空調設備会社も、同じリストでどこから訪問・電話するかを決められます。調査の時間をAIが減らし、関係づくりは経営者が続けます。
提案内容がまだ検証できていない場合や、1件ごとの取引が長い個人的な関係に左右される場合は、待つほうが得策です。よく調べた1社に手書きで送る一通は、自動の一括送信より効くことが多いものです。
データを先に、AIを後にして、6つの手順で組みます。Vonselは実データに基づく収集、調査、下書きの工程を担い、送信するかどうかは常にあなたが決めます。
誰に、どこで売るのかを書き出します。たとえば「大阪市内の個人経営のフィットネスジム」です。対象を絞るほど、後の工程での判断が楽になります。
業種を検索し、Vonselの拡張機能でスタートを押して地図を動かします。探索に合わせて、名称、住所、電話番号、ウェブサイト、カテゴリ、評価、レビュー数が集まります。
Vonselは各企業のウェブサイトをバックグラウンドで開き、掲載されているメールアドレス、携帯番号、WhatsApp、SNSのプロフィールを探します。見つかる内容は、各サイトが公開している情報によって決まります。
レビューAIが、オーナーの返信も含めて、お客さまが各社について書いている内容を要約します。解決できそうな課題がひと目で分かります。
コールドメールAIが、企業のデータから最初のメールの下書きを書きます。内容を読んで編集し、自分のメールボックスから送ってください。あなたの確認なしに送信されることはありません。
すべての企業が、ステージ、メモ、かんばんボードを備えた地図ベースのCRMに入ります。次の連絡ごとに担当者と日付を決められます。
収集の最初から最後までを見たい場合は、チュートリアル動画を見るのが早道です。AI機能、エクスポート、大量取得については料金ページをご覧ください。自前のモデルを使いたいときは、データをエクスポートしてそのファイルを読ませます。送信まで任せる場合の考え方はAI SDRの解説にまとめました。
こちらが渡したデータを分析して書くように頼みます。エクスポートしたリストがあれば、次の5つの頼み方が使えます。
どの場合も型は同じです。モデルに行を渡し、その行だけに限定し、根拠を示させます。採点の考え方をさらに知りたい場合はリードスコアリングをご覧ください。
通常の広告宣伝メールと同じルールを守るなら合法です。評価を守れるのは、送信数を抑えて関連性を高く保つ場合だけです。AIを使っても、メッセージの責任者は変わりません。
法律のルール。広告宣伝メールは、総務省が整理した特定電子メール法のポイントのとおり、原則として事前に同意した相手にだけ送れる「オプトイン方式」の対象です。例外として、取引関係にある相手、名刺などの書面でメールアドレスを知らせてくれた相手、そして自己のメールアドレスをインターネットで公表している団体や営業を営む個人があります。ただし、アドレスと併せて広告宣伝メールの送信をしないよう求める旨を公表している相手には、同意なしに送れません。
公表アドレスが例外とされる理由は、特定電子メールの送信等に関するガイドラインに書かれています。事業者間で、ウェブサイトにアドレスを載せている事業者へ業務向けの広告を送ることは実態として行われており、アドレスの公表は基本的にメールを受け取るためのものだからです。つまりこの例外が成り立つのは、企業が自分で公表したアドレスに限られます。
アドレスを推測しない。同じ資料では、プログラムにより自動的に作成されたメールアドレスで、利用者がいないものを「架空電子メールアドレス」と呼んでいます。これ宛ての送信は禁止され、総務大臣の命令に従わない場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)の対象になります。社名とドメインからAIが「それらしく」アドレスを組み立てる方法は、まさにこの形に近づきます。公表アドレスの例外の根拠にもなりません。アドレスの組み立てについては会社のメールアドレスの形式で、仕組みと危うさを説明しています。
表示義務と受信拒否。広告宣伝メールには、送信者の氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨とその通知先、送信者の住所、苦情・問合せの窓口を表示します。受信拒否の通知を受けた後は、同意があった相手でも送れません。個人向けの通信販売の電子メール広告には、別に特定商取引法も関わります。これは一般的な情報であり、法的助言ではありません。迷う場合は専門家に相談してください。
担当者名は個人情報になりえます。個人情報保護委員会は、公式のFAQで、取引先企業の担当者名といった情報も個人情報保護法上の「個人情報」に当たると示しています。AIに渡すリストに担当者名やメールアドレスが入るなら、取扱いの方針を決めてからにしてください。海外の相手にも売る場合は、B2BとB2Cのデータの法的な違いも読んでおくと安心です。
送信元の評価。Gmailのメール送信者のガイドラインは、Gmailアドレスに送るすべての送信者に、ドメインへのSPFまたはDKIMの設定を求めています。さらにPostmaster Toolsで報告される迷惑メール率を0.10%未満に保ち、0.30%以上にしないよう案内しています。1日に5,000件を超えて送る場合はDMARCなどの追加要件があります。小さな送信者も、この数字を目標にしてください。
| 送信前の確認 | 理由 | 根拠 |
|---|---|---|
| 宛先は、同意を得た相手か、自ら公表したアドレスか | 原則はオプトイン。公表アドレスは例外 | 総務省 特定電子メール法のポイント |
| 受信拒否の文言が公表されていないか | 拒否の旨が併記されている場合、公表アドレスの例外にならない | 総務省 ガイドライン |
| 送信者名、受信拒否の連絡先、住所、問合せ窓口を載せたか | 広告宣伝メールの表示義務 | 総務省 特定電子メール法のポイント |
| 受信拒否の通知を受けた相手を除外したか | 通知後の送信は禁止 | 総務省 特定電子メール法のポイント |
| 担当者名を含む情報の扱いを決めたか | 担当者名は個人情報に当たる | 個人情報保護委員会 FAQ |
| SPFまたはDKIMでドメインを認証したか | Gmailへ送るすべての送信者に必要 | Gmail 送信者のガイドライン |
| 迷惑メール率は0.10%未満か | Googleの推奨水準。0.30%以上は避ける | Gmail 送信者のガイドライン |
返信数と面談数で判断します。バッチごとに、到達率、返信率、前向きな返信の率、設定できた面談数の4つを記録してください。メール事業者が示す迷惑メール率も加え、送信数が評価を追い越さないようにします。
AIを使ったバッチは、同じ件数で手書きしたバッチと比べます。前向きな返信率が手書きに届かないなら、送信数を増やす前にデータか提案内容を直してください。返信が来た後は、一度決めたフォローの間隔を守ることで、会話を続けながら効果を保てます。