リードスコアリングとは、すべての見込み客に点数を付け、最初に連絡する相手を決める方法です。地域の事業者への営業では、適合度、ニーズ、連絡のつきやすさ、エンゲージメントの4つで100点満点のスコアを作ります。掲載情報とウェブサイトの公開情報に点を付け、返信があるたびに加点し、高い順に対応します。
多くのリードスコアリングの解説は、自社サイトのアクセス解析とマーケティングオートメーションが前提です。このガイドでは、Googleマップで集めた地域の事業者リストから出発し、最初の電話や訪問を「会うべき相手」に向けるための点数化を、スプレッドシートで作れる形で説明します。
リードスコアリングとは、すべての見込み客に点数を付け、最初に連絡する相手を決める方法です。地域の事業者への営業では、適合度、ニーズ、連絡のつきやすさ、エンゲージメントの4つで100点満点のスコアを作ります。掲載情報とウェブサイトの公開情報に点を付け、返信があるたびに加点し、高い順に対応します。
リードスコアリングとは、見込み客に点数を付けて順位づけし、有望な相手から先に時間を使うための手法です。点数の根拠が実際に確認できるシグナルであれば、地域の店舗や事業者への営業でも十分に機能します。Wikipedia(英語版)はリードスコアリングを、組織にとっての認識価値を表す尺度で見込み客を順位づけする手法と説明し、そのスコアによって営業がどのリードを優先して対応するかが決まると述べています。
同じ情報源は、点数の元になるデータを2種類に分けています。明示的データは、企業規模、業種、役職、所在地など、見込み客自身または見込み客についての情報です。暗黙的データは、サイトの訪問、資料のダウンロード、メールの開封やクリックなど、行動を観察して得られる情報です。
この区別が、地域リストにこの手法を当てはめる際の要点です。たとえば福岡の美容室、名古屋の歯科医院、札幌の水道設備会社に営業する場合、手元にあるのは明示的データだけで、暗黙的データはほぼありません。まだ誰もあなたのサイトを訪れていないからです。ページ閲覧数を前提に点数を作ると、全員が0点になります。
そこで、スコアを層で積み上げるものとして考えます。最初は事実に点を付けます。次に、相手が返信した、質問した、通話を予約したという場面で加点していきます。用語の整理から始めたい場合は、パイプラインの前段を扱ったリードジェネレーションの解説も参考になります。
多くの解説が、自社サイト、入力フォーム、自動化ツールを持つマーケティングチームを想定して書かれているからです。典型例は、料金ページの閲覧やメールのクリックに点を与え、それらを計測するツールにCRMを接続するよう勧めます。エクスポートしたばかりのリストを手にした個人の営業担当には、そのどれもありません。
Wikipediaに載っている単純なモデルの一つ「ラム・オア・スパム」は、GmailやYahoo!などの個人向けメールのドメインを低品質とみなし、企業ドメインを高く評価します。ところが地域の事業者にそのまま当てはめると逆効果になりえます。店主が営む小さなお店は、フリーメールのアドレスを公開していることが少なくなく、そうした個人経営のお店こそ、フリーランスが狙いたい相手だったりするからです。
実践的な結論は、今日答えられる質問に合わせてスコアを設計することです。
この4つの質問が、後述するモデルの4グループにそのまま対応します。まだリストがない場合は、先に事業者リストの作り方を読んでから戻ってきてください。
最初はルールベースのモデルを選びます。過去のデータが要らず、半日で作れるからです。ほかのモデルは、学習できるだけの成約件数がたまってから役に立ちます。次の表は、Wikipediaが挙げる4つの方式を整理し、地域の事業者に営業する小さなチームに合うかどうかを示したものです。
| モデル | 仕組み | 地域向けアプローチリストへの適性 |
|---|---|---|
| 理想の顧客像(ICP) | 最良の顧客の特徴にどれだけ近いかを点数にします | 最良の顧客を一行で説明できるなら、出発点として有効です |
| ラム・オア・スパム | 低品質のリードを除き、有望なリードを浮かび上がらせます | 注意が必要です。小さな事業者ではフリーメールがよく使われます |
| ルールベース | 属性や行動に点を足し、しきい値で良し悪しを分けます | 最初の選択肢に最適です。中身が見え、直せて、スプレッドシートで動きます |
| 予測型 | 過去の顧客データを機械学習にかけ、成約と相関する要素を見つけます | 後の段階向けです。過去の取引と結果が相当数必要です |
Wikipediaによれば、従業員数や商品数が増えるにつれて、新しい顧客データを取り込み続けられる予測型が選ばれやすくなります。ただ、一人で営業する人や数名の制作会社にとって、その段階はまだ先です。ひと目で読めて、1分で直せるモデルのほうが、説明のつかないブラックボックスよりずっと役に立ちます。
買い手を定義し、シグナルを選び、配点し、ランクを決め、実際の結果で検証します。各手順は小さく、モデル全体が1枚のシートか、CRMのカスタムフィールドに収まります。
下の配点は出発点です。地域の事業者にホームページ制作や口コミ対策を売る制作会社を想定しているため、ニーズのグループは自社の商材に合わせて書き換えてください。
| グループ | シグナル | 点数 |
|---|---|---|
| 適合度(30) | 業種カテゴリがターゲットと一致する | 15 |
| 適合度(30) | 対応する市区町村・サービスエリア内にある | 10 |
| 適合度(30) | 個人経営の事業者に売る場合、単独の独立した店舗である | 5 |
| ニーズ(30) | 提案で埋められるすき間がある(例:掲載情報にウェブサイトのリンクがない) | 15 |
| ニーズ(30) | 口コミ数や評価が地域の同業と比べて明らかに低い(口コミ対策を売る場合) | 10 |
| ニーズ(30) | 掲載情報が不完全(営業時間や詳細が未入力など) | 5 |
| 連絡のつきやすさ(20) | ウェブサイトに公開されたメールアドレスが見つかる | 10 |
| 連絡のつきやすさ(20) | 掲載情報に電話番号がある | 5 |
| 連絡のつきやすさ(20) | 店主・代表者の名前、または問い合わせフォームが見つかる | 5 |
| エンゲージメント(20) | メッセージや電話に何らかの返答があった | 10 |
| エンゲージメント(20) | 質問した、料金を尋ねた、または通話を予約した | 10 |
名古屋にある独立系の水道設備会社が、カテゴリに一致し(15)、対応エリア内で(10)、単独店舗で(5)、掲載情報にウェブサイトのリンクがなく(15)、公開メールアドレス(10)と電話番号(5)がある場合、まだ一言も話していない段階で60点です。返信があれば70点、料金を尋ねられれば80点になります。これは計算の説明用の例であり、実在の事業者ではありません。
この表に「除外条件」はありません。営業メールの受け取りを断っている事業者、完全に閉業した事業者、対応エリア外の事業者は、点数を付けずにリストから外します。最初に確認する「はい・いいえ」の列を別に用意してください。
業種、所在地、そして自社が埋められるすき間を示すシグナルに点を付け、口コミの数字は慎重に扱います。Googleはローカル検索結果のランキングに関するヘルプで、ローカル検索結果は主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されると説明しています。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなるとも書かれています。
Googleの並び順は、検索する人に向けて事業者を並べる仕組みで、どの事業者があなたのサービスを必要としているかまでは反映しません。クチコミが数百件ある医院は知名度が高い一方で、集客の支援を最も必要としていない可能性もあります。クチコミが数件しかない似た医院のほうが、口コミ対策の提案には良い相手かもしれません。どちらの方向がシグナルになるかは商材次第です。だからこそ、配点表のうちニーズのグループは書き換える前提で設計しています。
Googleはさらに、ビジネス情報の内容が充実していて正確なほど、ローカル検索結果に表示される可能性が高くなるとも述べています。逆に言えば、掲載情報が不完全な事業者は、プロフィールを管理する余裕がない可能性があります。地域での見つかりやすさを売る人にとっては、軽めの配点で十分に妥当なニーズのシグナルです。掲載情報から何を取得するにしても、あとでスコアに使えるよう、列として残しておきましょう。
ウェブサイトのない事業者や、クチコミの低い事業者の探し方は、ウェブサイトのない事業者の探し方と低評価のクチコミがある事業者の探し方で詳しく扱っています。次の3つの原則も覚えておいてください。
手作業で記録できる行動に点を付けます。返信、質問、通話の予約、来店や訪問です。Wikipediaの定義にある暗黙的シグナルを、ピクセルやスクリプトなしに、CRMのメモや列に残せる形へ置き換えたものです。
エンゲージメントのグループは小さくします。クリック1回から読み取れることよりも、返信1通のほうがはるかに意味が大きいからです。上のモデルでは、返信が10点、料金の質問や通話の予約がさらに10点です。1回のやりとりでランクが丸ごと一つ上がることがありますが、人間の反応にはスコアが素早く反応すべきなので、それで構いません。
パイプラインが長い場合は、減点のルールも加えましょう。春に一度返信があり、その後ずっと連絡がないリードは、秋になっても熱いリードとは言えません。単純な方法は、一定の日数やりとりがなければエンゲージメントの点数を差し引き、適合度とニーズの点数に戻すことです。
こうした記録の取り方は、案件の進み具合を管理する営業パイプラインの作り方と組み合わせると整理しやすくなります。
点数帯ごとに行動を一つ決めます。そうしないと、数字はただの飾りになります。最初は3段階で十分です。次のしきい値は、上の100点モデルの出発点であり、実際に誰が返信するかを見ながら動かしてください。
| 点数 | ランク | 行動 |
|---|---|---|
| 70から100 | ホット | 今週中に電話か訪問を行い、同じ日に個別に書いたメールも送ります |
| 40から69 | ウォーム | メールのシーケンスを始め、最初の返信または無反応を確認してから再評価します |
| 0から39 | 保留 | まだ連絡しません。掲載情報か自社の提案が変わったときに見直します |
ランクは毎月、結果と照らして確認します。保留のグループがホットのグループと同じだけ返信を生んでいるなら、モデルは何も教えていません。その場合は、しきい値ではなくシグナルのほうを見直してください。見るべき指標はCRMで追うべき指標にまとめています。
リードと同じ場所に置きます。そうすれば、スコア、連絡先、次の行動が一つの記録にまとまります。別のシートに分けると、他のツールで事業者の情報を直した時点で、数字が古くなります。
Vonselは、地図を操作しながらGoogleマップの事業者の結果を集め、取得できる事業者のウェブサイトを巡回して、公開されているメールアドレスや追加の電話番号を探します。見つかる内容は各サイトの公開内容によって変わります。集めた事業者は地図上でCRMに保存され、ステージごとの整理、詳細の編集、タグ、メモ、アクション、カスタムフィールドが使えます。スコアはカスタムフィールドに、ランクはタグに置くのが自然です。抽出の流れは、ランディングページのチュートリアル動画をご覧ください。各プランの内容は料金ページで確認できます。
小さな会社が最初に使うCRMの選び方は、小規模ビジネス向けCRMの選び方で扱っています。
いいえ。スコアが決めるのは連絡する順番であり、連絡してよいかどうかではありません。日本では特定電子メール法が、同意のない相手への広告宣伝メールの送信を原則として禁止しています。総務省の概要資料によれば、同法はオプトイン規制として、同意の記録の保存義務と、受信を拒否した相手への再送信の禁止を定め、表示義務もあります。違反して命令を受けたあと、さらに命令に違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は3000万円以下の罰金)と記されています。
この規制は個人向けだけではなく、法人や個人事業主が宛先でも適用されます。例外として、ウェブサイトなどで公表されている団体や営業を営む個人のメールアドレスは、原則としてオプトイン規制の例外になります。ただし日本データ通信協会(迷惑メール相談センター)の解説のとおり、アドレスと併せて送信を拒否する旨の表示があれば例外にならず、法律違反のメール送信になります。
この点は、モデルの中に組み込んでください。「営業お断り」「広告メールは送らないでください」といった表示や、受信拒否の申し出は、点数にかかわらずリストから外す除外条件です。ここで述べた内容は一般的な情報であり、法的助言ではありません。具体的な事案は専門家に確認してください。
つまずきの大半は、次の4つの失敗から生じます。