メールアドレス抽出とは、Googleマップで企業の一覧を取得し、各企業のウェブサイトに公開されているメールアドレスを読み取って、リストにまとめる作業です。マップの店舗情報そのものにはメールアドレスが載らないため、この2段階が欠かせません。Vonselは無料のChrome拡張機能で、両方を続けて実行します。
Googleマップの店舗情報にメールアドレスはありません。連絡先は企業のウェブサイトの中にあります。取得の流れ、リストの確認方法、日本で営業メールを送るときの法律の見方をまとめました。
メールアドレス抽出とは、Googleマップで企業の一覧を取得し、各企業のウェブサイトに公開されているメールアドレスを読み取って、リストにまとめる作業です。マップの店舗情報そのものにはメールアドレスが載らないため、この2段階が欠かせません。Vonselは無料のChrome拡張機能で、両方を続けて実行します。
店舗情報が、メールアドレスを持つ前提でつくられていないからです。表示されるのは、名前、カテゴリ、住所、電話番号、ウェブサイト、営業時間、評価、口コミまでです。開発者向けも同じで、Places APIのデータフィールドには電話番号とウェブサイトURIがありますが、メールアドレスの項目は一つもありません。
メールアドレスは、ウェブサイトのワンクリック先にあります。多くの企業が、お問い合わせページ、会社概要、フッターのいずれかに info@ や contact@ のようなアドレスを載せています。問い合わせフォームだけを用意して、アドレスを載せないサイトもあります。そのため、Googleマップのメールアドレス収集ツールは、実際には2つの工程に分かれます。マップの検索結果を取得し、そのあと各ウェブサイトを開いて公開内容を読む、という流れです。
開いているページだけを読む汎用の抽出ツールは、地域の営業リスト作りには向きません。企業の一覧が見えず、一度に1ページしか扱えないからです。次の表は、マップからメールアドレスを集めるときによく使われる4つの方法の比較です。
| 方法 | 企業の一覧を取得できるか | メールアドレスを取得できるか | 手間 |
|---|---|---|---|
| 手作業のコピー&ペースト | できる。ただし1件ずつ | 各サイトを開いて探した場合のみ | 100社で半日仕事 |
| ページ上の汎用メール抽出ツール | できない。開いているページだけ | そのページの分だけ | URLを1つずつ指定 |
| Google Places API | できる。コードを書く場合 | できない。メールの項目がない | APIキー、課金設定、コードが必要 |
| サイト情報を補完するマップ用ツール | できる。地図を動かすたびに取得 | できる。サイトが公開している場合 | 検索、開始、エクスポート |
手順は5つです。拡張機能を入れ、検索し、開始を押し、地図を動かして、保存とエクスポートを行います。作業はすべてChrome上の、いつものGoogleマップで完結します。先に操作を見たい場合は、拡張機能のページにあるチュートリアル動画をご覧ください。
手元にあるサイトの連絡先だけが必要なら、同じ考え方で1つのドメインからも抽出できます。マップ全体の流れをもっと詳しく知りたい方は、Googleマップのデータ抽出ガイド(無料)をご覧ください。
取れるのは、各企業が自分で公開した情報だけです。結果はサイトごとに違うので、空欄が出ることを前提にしてください。ページに載っていないアドレスを、ツールが作り出すことはできません。
空欄になりやすいのは、ウェブサイトがない企業、問い合わせフォームしかないサイト、そして担当者名の入ったアドレスがほしいのに info@ のような共有アドレスしかない場合です。サイトを持たない企業は、ホームページ制作や予約システムの有力な見込み客にもなります。ウェブサイトを持たない近くの企業で探せます。
| データ項目 | 取得元 | 必ず入っているか |
|---|---|---|
| 企業名、カテゴリ、住所 | Googleマップの店舗情報 | はい |
| 電話番号とウェブサイト | Googleマップの店舗情報 | オーナーが登録している場合 |
| 評価と口コミ | Googleマップの店舗情報 | 口コミがある場合 |
| メールアドレス | 企業のウェブサイト | サイトが公開している場合のみ |
| 追加の電話番号とWhatsApp | 企業のウェブサイト | サイトが公開している場合のみ |
| SNSのリンク | 企業のウェブサイト | サイトがリンクしている場合のみ |
エクスポートファイルは、データ項目ごとに1列です。そのままスプレッドシートで開けますし、HubSpot、Pipedrive、Instantly、lemlist、Mailchimpなどにも取り込めます。
確認は4段階です。重複を消し、共有アドレスと個人宛てを分け、届くかどうかを検証し、少量ずつ送ります。抽出したままの生のリストには、古いアドレスや共有アドレスが混ざっているのが普通で、そのまま送ると送信ドメインの評価が下がります。
受信側のサービスも基準を設けています。Gmailのメール送信者のガイドラインは、Postmaster Toolsで報告される迷惑メール率を0.10%未満に保ち、0.30%以上にならないようにすることを求めています。また、Gmailアカウントに1日5,000件を超えるマーケティングメールを送る場合は、ワンクリックでの登録解除が必要です。件数が少ない送信者も、評価の仕組みから外れるわけではありません。
企業が公開しているビジネス用アドレスを集めること自体は、BtoBの営業でよく行われています。ただし、送信は法律の対象です。以下は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別のケースは弁護士などに相談してください。
特定電子メール法。総務省の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」によると、広告宣伝メールは、原則としてあらかじめ同意した相手にだけ送れます(オプトイン方式)。例外として、取引関係にある相手、名刺などでアドレスを通知した相手のほか、自己のメールアドレスをインターネットで公表している相手(個人の場合は営業を営む場合に限る)には、同意なしで送れます。ただし、アドレスの公表とあわせて広告宣伝メールを送らないよう求める旨が公表されている場合は、同意なしでは送れません。
送るときの義務もあります。送信者の氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知先(メールアドレスまたはURL)の表示が必要で、送信者情報を偽ることは禁止されています。受信拒否の通知を受けたら、以後は送れません。送信者情報を偽った送信には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は3,000万円以下の罰金)という罰則があります。同意を得て送る場合は、同意の記録を、最後に送った日から1か月保存する必要があります。
個人情報保護法。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、特定の個人を識別できるメールアドレスを個人情報の例に挙げています。会社名と氏名から、誰のアドレスか分かる場合がその例です。氏名つきでリスト化すれば、個人情報データベース等にも当たりえます。個人情報になる場合は、利用目的の特定などの義務が生じます。担当者名入りのアドレスは、info@ のような共有アドレスとは分けて管理しましょう。
| 送り先 | 同意なしで送れるか(特定電子メール法) | 確認すること |
|---|---|---|
| すでに取引関係がある相手 | 例外にあたる | 通販の広告メールを個人に送る場合は、特定商取引法が別にかかります |
| 名刺などでアドレスを通知してくれた相手 | 例外にあたる | 受信拒否の連絡があれば、以後は送らない |
| 自社サイトにアドレスを公表している法人、営業を営む個人 | 例外にあたる。ただし、広告宣伝メールを送らないよう求める公表があれば不可 | サイト上の「営業メールはお断り」などの記載を確認する |
| 公表されていないアドレス、推測したアドレス | 原則として事前の同意が必要 | 同意を取得し、その記録を保存する |
EU圏の相手に送る場合など、ほかの国の規則は別です。最初のキャンペーンの前に、BtoBデータとBtoCデータの法的な違いと、Googleマップのスクレイピングは合法かの解説もご覧ください。
1通ごとに、その企業ならではの話題から始めます。アドレスのリストは出発点にすぎず、返信が来るかどうかは関連性で決まります。Vonselは、取得した企業をすべて地図上に置き、カンバンボード、カレンダー、メモ、タグ、カスタムフィールドを備えたCRMで管理します。アドレスは文脈とつながったまま残ります。
代理店やフリーランスの場合、その文脈になるのは多くの場合、Googleの口コミとウェブサイトの有無です。それをもとに「きちんと調べました」と伝わる一文を書き出しに入れ、全員に同じ文面を送るのではなく、地域の企業向けコールドメールのテンプレートを相手に合わせて調整してください。送信するメールには、送信者名と配信停止の方法を必ず入れます。
拡張機能は無料で、無料プランでは200件の企業を試せます。有料プランでは、取得件数の上限、エクスポート、AI機能が広がります。現在の内容は料金ページでご確認ください。