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広告代理店 CRM:選ぶ前に知っておきたい機能と、見込み客を最初から入れておく方法

広告代理店 CRMに求められるのは、新規開拓と既存顧客対応という2本のパイプラインを同時に回せることです。重要なステージと項目、日本で守るべきメールのルール、そして見込み客が入った状態でCRMを使い始める方法をまとめました。

主なポイント
  • 広告代理店 CRMが追うのは2本のパイプラインです。新規開拓(見込み客から受注まで)と、既存顧客対応(更新と追加提案)です。比較記事の多くは後者のツールしか扱っていません。
  • 課題はCRMが空であることです。経済センサスによると、2021年6月1日時点の企業等は368万4049。宿泊業,飲食サービス業だけで42万6575あります。足りないのは、自社の提案に合うリストです。
  • 最初は6ステージ、9項目で十分です。判断に必要になったときだけ項目を足してください。
  • 日本では特定電子メール法が営業メールに適用されます。原則はオプトイン方式で、同意の記録、表示義務、受信拒否への対応が必要です。例外もあります。
  • Vonselは、Googleマップの検索結果を地図ベースのCRM上の見込み客に変えます。新規開拓のパイプラインを、最初から埋めた状態で始められます。

広告代理店 CRMとは、代理店の売上を支える2つの流れを管理する顧客管理ツールです。1つは見込み客を契約へ進める新規開拓、もう1つは更新と追加提案につながる既存顧客との関係です。良い広告代理店 CRMは、画面が簡単で、導入初日から自社の対象エリアの見込み客が入っています。

広告代理店向けのCRMとは何で、一般的なCRMと何が違うのですか?

広告代理店向けのCRMとは、代理店の収益の形に合わせて使うCRMのことです。代理店は、アウトバウンドや紹介で数十社の顧客を獲得し、顧問契約や案件で関係を続けます。小さな注文を何千件も追う業態と違って、取引金額の大きさより、人、会話、連絡のタイミングを正確に残せることが重要です。

CRMの基本的な考え方は新しいものではありません。日本語版ウィキペディアは、顧客関係管理(CRM)を、顧客や市場から集めた情報を一元化し、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略・手法と説明しています。CRMシステムは、ウェブサイト、電話、電子メール、ライブチャット、ソーシャルメディアなどの経路からデータを集めるとも書かれています。代理店にとっては、顧客を見つけ、つなぎ止めるときに使う経路そのものです。

「代理店」と言っても幅は広く、広告運用、制作会社、Web制作、SEO、PR、採用支援、不動産や保険の代理店まで含まれます。この記事では、地域の中小企業や店舗に提案する制作会社・広告代理店を想定していますが、構造はほかの業種にも当てはまります。

一般的なCRMとの大きな違いは、2本のパイプラインを持つことです。1本目は新規開拓で、まだ自社を知らない会社が契約へ進む流れです。2本目はアカウント管理で、既存顧客、更新、追加提案を扱います。「広告代理店 CRM」で上位に出る記事の多くは2本目向けのツール比較です。1本目をどう埋めるかを説明する記事は少なく、CRMが止まりがちなのもここです。

広告代理店 CRMに、一般的なCRMにはないどんな機能が必要ですか?

確認したいのは6つです。特に最初の2つが、導入判断を左右することが多くなります。ツールを比べるときのチェックリストとして使ってください。

必要なもの代理店にとって必要な理由確認すること
2本のパイプライン新規と既存では、進むステージが違いますボード、タグ、ビューのいずれかで分けられるか
流入元の記録どの経路から顧客が生まれたかを知る必要があります絞り込みや集計ができる「流入元」項目があるか
フォローアップの通知受注までに何度もやり取りが必要になることが多いためです次のアクションの日付と、カレンダーまたはタスク表示があるか
軽い操作性少人数のチームは管理作業に時間を割けません新しいメンバーが、その日の午後に使い始められるか
地域別の表示地域の事業者に提案する代理店は、市区町村と業種で動きます地図上の見込み客表示と、エリアでの絞り込みがあるか
制作への引き継ぎ受注した後は、制作担当が顧客に向き合うことになりますアカウントに紐づくメモと連絡先を残せるか

見落としやすいのは、請求書の発行、工数管理、タスクボードが入っていないことです。これらは代理店にとって大切ですが、本来は制作・進行管理のツールの役割です。何でも入りのCRMは、営業の部分が中途半端になりがちです。CRMは関係づくりに、進行管理ツールは納品に使い、受注した時点できれいに引き継ぐ形をおすすめします。

新しい広告代理店 CRMは最初なぜ空で、どうすれば見込み客で埋められますか?

新しく入れたCRMは空で、空のCRMからは受注が生まれません。対象企業が少ないわけではありません。総務省・経済産業省の令和3年経済センサス‐活動調査(産業横断的集計)によると、2021年6月1日現在の企業等の数は368万4049企業です。業種別に見ても、足りないのは企業の数ではなく、自社の提案に合い、連絡先まで分かる絞り込まれたリストです。

下の表は、同じ調査から、代理店が提案先にしやすい業種の企業等数を抜き出したものです。「提案例」の列は、数字ではなく考え方の例です。

業種(産業大分類)企業等数(2021年6月1日)提案しやすいサービスの例
宿泊業,飲食サービス業426,575Googleマップの口コミ対策、予約導線の改善、ウェブサイト制作
建設業426,155施工事例ページの制作、地域名での検索対策、採用サイト
生活関連サービス業,娯楽業334,668新規来店を増やす広告運用、予約ページの改善
不動産業,物品賃貸業328,329物件ページの改善、リスティング広告の運用
医療,福祉298,517ウェブサイトの改善、口コミの管理、採用広報

業種が決まったら、Googleマップは最も取りかかりやすい起点になります。地域の事業者が、業種と場所で整理されているためです。「札幌市 美容室」「福岡市 歯科医院」「名古屋市 工務店」のように検索すると、まさに提案したい相手が並びます。これを再現できる手順でCRMのレコードに変える方法は、次のとおりです。

  1. 業種と地域を1つずつ選びます。「関西の飲食店」より、「大阪市北区のカフェ」のほうが、メッセージも具体的になります。
  2. Googleマップで検索し、Vonselで開始を押します。地図を動かしながら事業者の検索結果を取得します。一時停止、再開、保存ができるので、取得の途中で条件を調整できます。
  3. 公開されているウェブサイトの連絡先を加えます。Googleマップはビジネス用メールアドレスを提供しません。そこでVonselは、利用できる事業者のウェブサイトを確認し、公開されているメールアドレス、追加の電話番号、最大118種類のSNSなどのプラットフォームへのリンクを探します。見つかる内容は、各ウェブサイトが公開している情報によって変わります。
  4. 自社が解決できるギャップで優先順位をつけます。Web制作を売るなら、ウェブサイトがない事業者が候補です。口コミ管理なら、口コミが少ない事業者です。一覧を見て、連絡する前に判断してください。
  5. 見込み客としてCRMに登録します。事業者を地図上に出し、提案するサービスでタグを付けて、アプローチできる状態にします。
  6. 具体的な最初のメッセージを送り、次のアクションの日付を入れます。そうすれば、見込み客が担当者不在のまま放置されません。

実際に試す前に取得の様子を確認したい場合は、スクレイパーのページにある動画チュートリアルをご覧ください。6番のチャネルやメッセージの考え方は、マーケティング代理店が顧客を獲得する方法で詳しく説明しています。ウェブサイトを持たない事業者に絞るなら、ウェブサイトのない事業者の探し方も参考になります。

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新規開拓のパイプラインには、どんなステージを置けばよいですか?

ステージは6つで足ります。各ステージに「次へ進む条件」を1つずつ決めておくと、チームの2人が同じ事業者を同じ列に入れるようになります。

ステージ意味次へ進む条件
1. 見込み客自社の業種と地域に合うが、まだ連絡していない担当者名または直接連絡できる経路がある
2. 連絡済み最初のメッセージを送った、または電話した返信がある
3. 会話中相手の課題について双方向で話しているオンライン面談か訪問に同意した
4. 提案中範囲と金額を送った承諾、辞退、保留のいずれかの返事がある
5. 受注合意し、着手できる制作・運用の担当に引き継いだ
6. 失注・保留合わない、または今ではない再連絡の日付を入れた

失注を捨てないでください。「今期は難しい」と答えた会社は、次の期の見込み客です。再連絡の日付を入れておけば、止まった案件が将来の会話につながります。各ステージの終了条件や転換率の見方は、営業パイプラインのガイドで詳しく扱っています。

見込み客と顧客ごとに、どの項目を記録すべきですか?

項目は少なく、そして毎回必ず埋めるものに絞ります。まず次の9項目から始め、実際の判断に必要になったときだけ追加してください。

  • 会社名とウェブサイト。
  • 地域と業種。市場ごとの絞り込みに使います。
  • 流入元:地図検索、紹介、セミナー、問い合わせフォームなど。
  • 提案するサービス。具体的に決めておくと、メッセージが明確になります。
  • 決裁者と役割。窓口の担当者と決裁者が違うことは珍しくありません。
  • 最終連絡日。
  • 次のアクションと日付。
  • 失注した場合は、その理由。
  • 顧問契約の顧客には更新日。

Vonselでは、事業者を地図上に表示し、ステージごとに整理し、詳細を編集できます。カンバン、カレンダー、メモ、アクション、タグ、カスタムフィールドも使えます。これらの項目はCRMの中に保存されます。項目の質は元のリストの質に左右されるため、リストの作り方もあわせて確認してください。

日本では、CRMの見込み客に営業メールを送るとき、どんな法律を守る必要がありますか?

営業メールは、法律上の自由地帯ではありません。日本では、広告宣伝のために送られる電子メールに特定電子メール法が適用されます。総務省の解説によると、この法律は同意を得ずに広告宣伝メールを送る際の規定を定めたもので、同意した相手以外への送信禁止、送信者名と配信停止先の表示、送信者情報の偽装禁止などが決められています。以下は一般的な情報であり、法的助言ではありません。

総務省のパンフレット(2018年7月)を整理すると、CRMに関係する要点は次のとおりです。

場面ルールCRMに残しておくこと
原則あらかじめ同意した相手にだけ広告宣伝メールを送れます(オプトイン)同意を得た日時と方法
例外:取引関係・名刺取引関係にある相手や、名刺などの書面でアドレスを通知した相手には、同意なしに送れます名刺交換の日付と場面
例外:公表アドレスアドレスをインターネットで公表している団体や、営業を営む個人には送れます。広告宣伝メールを送らないよう求める旨の公表があれば不可ですアドレスの取得元URLと、拒否表示の有無の確認
表示義務送信者の氏名または名称、受信拒否の通知先、送信者の住所、苦情・問合せ先を表示しますメールテンプレートに固定で入れる
受信拒否拒否の通知を受けたら、以後は送信できません拒否の日付。リストから除外するフラグ
同意の記録記録の保存期間は、最後に広告宣伝メールを送った日から1か月です同意の取得状況の記録

罰則も確認しておきましょう。同じパンフレットによれば、送信者情報を偽って送信した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、法人にはさらに3000万円以下の罰金が定められています。同意の記録義務に違反して命令を受け、従わなかった場合は、100万円以下の罰金です。

注意点が2つあります。第1に、パンフレットが扱うのは電子メールとSMSの広告宣伝です。電話、問い合わせフォーム、FAX、郵送のルールはここでは扱っていないため、別に確認してください。第2に、非営利団体や営業を営まない個人が送るメールは対象外とされていますが、代理店は営業を営む側なので、対象になると考えておくのが安全です。

CRMでは、3つの習慣が役に立ちます。初回の連絡日とチャネルを残すこと、受信拒否した相手に二度と送らないようにすること、署名の送信者情報と住所を常に最新に保つことです。チャネルごとの違いは、アウトバウンド営業のガイドで比較しています。メールの文面づくりはコールドメールのガイドも参考になります。

スプレッドシート、オールインワン、見込み客開拓に強いCRMのどれを選ぶべきですか?

ボトルネックがどこにあるかで決まります。見込み客が足りないなら、まずリストを整える必要があります。顧客が多く、事務作業があふれているなら、オールインワンが助けになるかもしれません。

選択肢向いている場面トレードオフ
スプレッドシートまたは無料のCRM1人で運営している、見込み客が数件手入力が中心で、地図がなく、連絡を忘れやすい
オールインワンの代理店向けスイート営業、案件、請求を1か所にまとめたい導入と設定に手間がかかり、見込み客のリストは自分で用意する必要がある
見込み客開拓を優先するCRM(Vonsel)地域の事業者に販売していて、まずその相手を見つけたい納品の管理は、すでに使っているツールの中で行う

無料のCRMを検討しているなら、無料CRMのガイドで利点と限界を確認できます。初めてCRMを入れる小さなチームには、中小企業向けCRMのガイドがより総合的です。プランや上限は変わることがあるため、ブログ記事ではなく料金ページで最新の内容を確認してください。

広告代理店の週次CRMルーティンは、どんな流れになりますか?

短い週次のルーティンのほうが、たまに行う大掛かりな作業より効きます。代理店の仕事は新規開拓の時間を圧迫するため、忙しい週でも続けられる量に抑えてください。

  1. 業種と地域を1つ決めて、新しい見込み客のリストを追加します。
  2. 新しい見込み客に最初のメッセージを送り、その内容を記録します。
  3. フォローアップの一覧を確認します。次のアクションの日付が今日、または過ぎている相手全員に連絡します。
  4. すべての返信を適切なステージへ動かし、1行でメモを残します。
  5. 失注・保留のレコードを見直し、再連絡の日付が来た相手に再度連絡します。

フォローは新規の最初の連絡より受注につながりやすいため、新規の連絡がフォローの時間を奪わないよう、順番を守ってください。

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情報源

よくある質問

小規模な広告代理店には、どのCRMが向いていますか?
向いているのは、メンバー全員が毎日実際に更新できるCRMです。ステージが少なく、レコードごとに次のアクションの日付を入れられ、流入元の項目があり、見込み客をすぐに登録できるものを選んでください。多機能なスイートは大きなチーム向けです。数名の代理店では、軽くて入力が続くCRMのほうが成果につながります。
広告代理店には、CRMのパイプラインは2本必要ですか?
はい、実務上は分けたほうが運用しやすくなります。新規開拓は「誰に連絡し、次に何をするか」を追い、既存顧客は「いつ更新か、追加提案の余地があるか」を追います。進み方も確認する内容も違うため、1つのボードに混ぜると、どちらの状況も見えにくくなります。ボードやビューを分けて管理しましょう。
スプレッドシートや無料のCRMでも足りますか?
立ち上げ期なら足ります。見込み客が数十件で、フォローを1人で回せるうちは、スプレッドシートや無料のCRMで十分です。ただし、リマインド、共有メモ、ステージ別や地域別の表示が必要になると手間が増えます。フォローの連絡を忘れる場面が出てきたら、CRMへ移る目安です。
広告代理店は、CRMに入れる見込み客をどこで見つけますか?
紹介、コンテンツ、セミナーやイベント、アウトバウンド営業が代表的です。地域の店舗や事業者を顧客にする代理店なら、Googleマップは業種と地域で事業者を一覧できるため有効です。たとえば「福岡市 歯科医院」のように検索し、結果を取得して、公開されているウェブサイトの連絡先を加え、見込み客としてCRMに登録します。
広告代理店のCRMには、どの項目を入れるべきですか?
会社名とウェブサイト、地域と業種、流入元、提案するサービス、決裁者と役割、最終連絡日、次のアクションと日付、失注理由を入れてください。顧問契約の顧客には更新日も加えます。項目を増やすより、少ない項目を毎回確実に埋めるほうが、CRMのデータは役に立ちます。
日本で、CRMのリストにあるメールアドレスへ営業メールを送ってよいですか?
特定電子メール法のルール次第です。広告宣伝メールは原則として事前の同意が必要ですが、取引関係にある相手、名刺などでアドレスを通知した相手、アドレスを公表している団体や営業を営む個人には例外があります。公表していても送信拒否の表示があれば送れません。同意の記録や表示義務もあります。法的助言ではないため、迷う場合は専門家に確認してください。
CRMとプロジェクト管理ツールは同じものですか?
いいえ、役割が違います。CRMは見込み客、会話、提案、更新といった顧客との関係と受注までの流れを管理します。プロジェクト管理ツールは、タスク、納期、ファイル、工数といった制作の進行を管理します。代理店には両方が必要で、それぞれ専用のツールを使い、受注した時点で担当者に引き継ぐ形が最も運用しやすくなります。