新規顧客を獲得する方法は、業種と地域を一つに絞り、条件に合う事業者のリストを作り、一社ずつ状況に合わせた短い連絡を送り、日程を決めてフォローアップして結果を記録することです。紹介や人脈も有効ですが、日程を自分で決められる直接連絡を組み合わせると、毎週繰り返せる再現性のある方法になります。
紹介を待つだけで終わらせず、条件に合う事業者のリストを作り、具体的な一言を添えて連絡し、日程を決めてフォローアップしましょう。
新規顧客を獲得する方法は、業種と地域を一つに絞り、条件に合う事業者のリストを作り、一社ずつ状況に合わせた短い連絡を送り、日程を決めてフォローアップして結果を記録することです。紹介や人脈も有効ですが、日程を自分で決められる直接連絡を組み合わせると、毎週繰り返せる再現性のある方法になります。
最も早いのは、条件に合う事業者のリストを作り、こちらから連絡する方法です。相手が見つけてくれるのを待たずに、自分で会話の数を増やせるからです。
新規顧客の獲得とは、まだ取引のない事業者や個人に、初めて購入や契約をしてもらうまでの活動全体を指します。すでに取引のある相手に継続してもらう「既存顧客の維持」とは別の仕事で、必要な手順も違います。
このガイドは、フリーランス、小規模な制作会社、士業、地域の事業者など、事業者(BtoB)に提案する人を想定しています。見込み客を探す全体像は営業の見込み客開拓のガイドで、費用の測り方は顧客獲得を仕組み化する5ステップで解説しています。この記事では、リストの作り方から最初の連絡、記録、日本のルールまでを実務の順に説明します。
新規顧客を見つける現実的な方法は七つあり、たいていは二つか三つを組み合わせます。中小機構が運営するJ-Net21の「法人営業の基本」は、担当者に会う方法を飛び込み(電話や訪問)と紹介の二つに分け、経営資源が少ない創業期は効率のよい紹介の活用が基本だと説明しています。同じページは、紹介の最大の弱点も挙げています。紹介者がいなければ使えないことです。
下の表は、七つの方法を編集部の経験則で比べたものです。数値の統計ではなく、選ぶときの目安として読んでください。
| 新規顧客の獲得方法 | 向いている場面 | 最初の反応までの速さ | 繰り返しやすさ |
|---|---|---|---|
| 1. 紹介・既存顧客 | すでに満足している顧客がいる | 速いが読みにくい | 依頼しない限り増えない |
| 2. 人脈・異業種交流会・地域の集まり | 地域密着のサービスを売る | 遅い | 開催日程に左右される |
| 3. 地域の事業者リストへの直接連絡 | 理想の顧客像が決まっている | 速い | 高い。週単位で回せる |
| 4. 補完関係にある事業者との提携 | 自社の隣のサービスを扱う相手がいる | 中程度 | 一度つくれば続く |
| 5. Webサイト・検索・Googleビジネスプロフィール | 探している人がすでにいる | 遅い | 積み上げ型 |
| 6. 展示会・イベント | 買い手が一か所に集まる | 中程度 | 時間と費用がかかる |
| 7. 有料広告 | 予算と、反応の取れる提案がある | 速い | 出稿している間だけ |
紹介は質が高い入口ですが、増やす手段を自分で持てません。そこで、紹介を待つ時間を使って直接連絡のリストを回し、成約した顧客には毎回紹介を依頼する、という二本立てが現実的です。
人脈がないと感じるときも、J-Net21は人脈の棚卸しを勧めています。名刺を持つ人だけでなく、親族や学生時代の友人、趣味の仲間まで書き出し、「この業界に知り合いはいませんか」と聞いてみる方法です。紹介を受けたら、成約の有無にかかわらず必ずお礼をする、とも書かれています。紹介者の信用を借りて営業していることを忘れないためです。
最初の一社を獲得するには、「誰でも顧客になり得る」という漠然とした状態から、具体的な事業者名のリストに変え、順番に連絡していきます。業種の選定からフォローアップまでを、実務の順に説明します。
誰を、どこで支援するかを決めます。「札幌市の美容室」「名古屋市の工務店」「福岡市の歯科医院」のようなリストは完成させられますが、「中小企業すべて」は完成しません。絞るほど、同じ実績、同じ文面、同じ提案を使い回せます。
Googleマップには、地域の事業者のカテゴリ、住所、電話番号、Webサイトが載っています。Googleマップスクレイパーなら、マップで検索して「開始」を押すだけで、Vonselがマップをたどって事業者の情報を集めます。Googleマップにはメールアドレスは載っていないため、Vonselは各事業者のWebサイトも確認し、公開されているメールアドレスや追加の電話番号、SNSのリンクを探します。見つかる内容は各サイトの公開内容によります。操作の流れは、動画チュートリアルで確認できます。
J-Net21のビジネスQ&A「新規ターゲット顧客企業リストの作り方」は、リストを自力で作るか購入するかを、商材とかけられる人員・時間・費用で決めるよう勧めています。自作は手間がかかる代わりに、作る過程で選別が効き精度が高めになります。購入は大量のリストが手に入る一方で、自社の商材と合わないことがあります。自作の手段としては、公開データのWeb検索、業界団体の名簿、展示会の出展社リストが挙げられています。
同じページは、Webサイトを一社ずつ見れば事業内容がわかり、狙うべき相手かどうかを早い段階で判断でき、無駄な連絡を減らせると述べています。そのうえで、観察を一つ、自分の提案を一文、小さな依頼を一つ添えます。文面は営業メールの例文、電話はコールドコールのスクリプトを参考に、一社ごとに最初の一行を書き換えてください。
最初の連絡で終わらせず、日程を決めてフォローアップします。J-Net21のビジネスQ&Aは、連絡した日時、つながったか、再連絡のタイミング、判明した部署名や担当者名、商談の進み具合を記録するよう勧めています。そうすれば計画的に連絡でき、顧客情報も蓄積されます。面談につなげる流れはアポイント獲得の方法にまとめています。
相手の事業について事実に基づく一言を述べ、自分の提案を一文で示し、小さな依頼を一つ添えます。長い自己紹介は不要で、100字から200字ほどに収めると読まれやすくなります。
例文:「貴院のWebサイトを拝見しました。スマートフォンからは予約ボタンが見つけにくいように感じました。同様の医院向けに予約導線を整える仕事をしております。10分ほどお電話でお話しできる日はございますか。」
件名と署名には、送信者の名称と連絡先を入れます。メールだけでなく、電話、問い合わせフォーム、訪問など複数の手段を日ごとに使い分けると、反応の取れる手段が見えてきます。組み合わせ方は営業の見込み客開拓のガイドで詳しく扱っています。リストの精度を上げたい場合は、リスト構築の方法も参考になります。
見込み客ごとに、段階、次の行動、日付をCRMに記録します。そうすれば、最初の連絡のあとに見込み客が埋もれません。表計算ソフトでも始められますが、件数が増えると期限切れの案件を見落としやすくなります。
Vonselでは、事業者を地図上に表示し、段階別に整理し、詳細情報を編集できます。カンバン、カレンダー、メモ、アクション、タグ、カスタムフィールドも使えるため、エリアごとの訪問や電話の予定を立て、期限切れの案件を確認し、各事業者の返答をメモできます。料金プランで各プランの内容を確認でき、まずは無料で始められます。
週のリズムを決めておくと、手順が途切れません。
もう少し広く見込み客を集める方法は、リード獲得方法の記事で紹介しています。
手段ごとにルールが違います。以下は一般的な整理で、法的助言ではありません。個別の判断が必要な場合は、弁護士などの専門家に確認してください。
メールの場合。総務省が公開している特定電子メール法の解説では、広告、宣伝、勧誘を目的としたメールは、原則として事前に同意した相手にだけ送れる「オプトイン方式」とされています。条文上の例外は、同意を通知した人のほか、総務省令に基づいて自分のメールアドレスを通知した人(名刺など)、取引関係にある人、メールアドレスを公表している団体または個人(個人は営業を営む者に限る)です。受信拒否の通知を受けたら、その意思に反して送ることはできません。送信時には、送信者の氏名または名称と、受信拒否の通知先を表示する必要があります。送信に使ったメールアドレスなどの送信者情報を偽ることも禁じられています。
電話の場合。消費者庁の特定商取引法ガイド(電話勧誘販売)は、適用除外の一つとして「営業のため、又は営業として締結するもの」を挙げています。事業者が事業のために契約する取引は、この規制の対象外になる場合があります。ただし、個人として契約する相手への電話は別で、適用除外に当たるかどうかは契約の実態で判断されます。
氏名の扱い。個人情報保護委員会のFAQ(Q2-6)は、法人の代表者の情報や、取引先企業の担当者名といった情報も個人情報に当たると説明しています。法人のリストであっても、代表者名や担当者名を保存して使う場合は、個人情報として扱う必要があります。
| 連絡の手段・情報 | 主な根拠 | 押さえておく点 |
|---|---|---|
| 広告宣伝メール | 特定電子メール法 | 原則オプトイン。名刺で通知されたアドレス、取引関係、アドレスを公表している団体や営業を営む個人などは例外。受信拒否後は送れない。送信者名と拒否の連絡先を表示する。 |
| 営業電話 | 特定商取引法 | 「営業のため、又は営業として締結するもの」は適用除外。契約の実態で判断される。 |
| 代表者名・担当者名 | 個人情報保護法 | 法人の代表者や取引先企業の担当者名は個人情報に当たる。 |
事業用として公開されている連絡先を使い、最初に名乗り、配信停止を簡単にし、求められたらすぐに止めます。これが基本です。メールでは、売り込みの意図が一目でわかる件名と、送信者の名称、連絡先、配信停止の方法を入れます。電話でも、断られたら再度かけ直さないほうが安全です。
なお、Googleマップや事業者のWebサイトに載っている情報は、事業者自身が公開したものです。それでも、使ってよい範囲は連絡手段ごとの規則で決まります。まずは営業メールの例文と法律の基本で、実際の文面と合わせて確認してください。
失敗の多くは、次の五つに集約され、どれも修正できます。
この五つを直せば、最初の一通で止まってしまう相手より先に進めます。